SIMPLE LIFE WITH CATS

住まいを整える

明治生まれの女の人

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雨の土曜日、遺品の写真を整理しながら、実家の本棚でみつけた沢村貞子さんの本を読んでいました。

暮らしの手帖社が発行した本です。装丁が美しいですね。

「女性は女性作家の、男性は男性作家の本を好んで読む」といわれますが、私は、昔の女性の作家の本は殆ど読んでいません。女性が虐げられていたことが書かれていると、暗く、しめっぽい気分になるからです。

この『貝のうた』も冒頭の部分で、生まれたばかりの貞子に、父親が「チェッ、女か」と、残念がるシーンがあります。いくつもそんなシーンがあるのは嫌ですが、古き良き時代の懐かしい風景、人のあたたかさ、何事にも前向きに取組む明治女性のたくましさなどが表されていて、元気をもらえる作品です。

それにしても、関東大震災を経験し、23才という若さで、1年以上の独房生活にもくじけず、その後女優として大正、昭和を生き抜くパワーはほんとすごい。「明治の女性は、強い」といわれるのも納得します。

 

資料を整理していたら、東京生まれで、明治生まれの方の履歴書をみつけました。沢村さんよりも5歳ほど年上です。

昭和7年に作られた、その履歴書は和紙に筆で書かれていました。

 

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 何枚かあるのでコピーかと思いましたが、無論、一枚一枚手書きです。この時代は履歴書を書くにも一苦労ですね。

この女性は、教師として、一生独身で過ごしました。写真を見ると凛とした美しい女性でした。

著者、沢村貞子さんも、教師を目指して大学に通われていたそうで、本から、当時の女性が大学に進むことの厳しさがうかがえます。

読んでいくうちに、そのころの社会状況や、暮らしの様子と、この女性の生き方とが重なって、夢中で読んでしまいました。